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いら☆くまっ!(目覚めた)

見た目は大学生・頭脳はエロゲ脳なイラックマによるエロゲーレビューブログ

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〔2008/10/2〕・・・【レビュー】『とっぱら~ざしきわらしのはなし~』

数々の良作を輩出したキャラメルBOXの新ブランド、いちご味の処女作。
少年と妖怪のふれあいを描いた心温まるお話。

キャラ・・・28/30点

主人公(見鬼)には見えて周りには見えない、住んでいる場所がほぼ固定されている、
寿命サイクルが違う、そして主人公が一方的に毛嫌いしている。

今作のような妖怪ゲーに於いて最も重要なポイントは、
そんな"妖怪"という微妙なポジションをどのように描写するか。 

書き様によっては、主人公と1対1でしか話さない空気のような存在になってしまったり、
逆に人間世界に干渉しすぎて影で糸を操っているように見えてしまったりということも有り得ます。
しかしこのライターさん、"妖怪"の描き方が非常に上手い。

『主はな圭治、わらわを人のように扱うてくれる・・・けれど、わらわが物の怪であることを決して忘れぬ』
という藤花の言葉にあるように、まず主人公が妖怪との接し方を心得ているので、
人間と妖怪の種族の壁だとか、そういったものを気にせず自然に恋愛パートに入っていけるわけです。

で、そこまでは完璧だったのになんで肝心の恋愛パートが短いんだ!ライターのバカ!

共通ルートで少し接するだけでもそれぞれのキャラの魅力が痛いほどわかったぐらいなのに。
単体のイチャイチャシーンのテキストは悪くなかったのに。
もう少し、せめて1キャラあたりあと20分ぐらいイチャイチャさせてくれれば至高のキャラゲーになれたのに・・・

それでもまあ、美影はイチャラブ期間が比較的長いので合格。
瀬織、藤花、デレてからの幸子あたりも買って損したとは思わないレベル。
でもイソラ、佐久夜、千鶴美は・・・

この3人はほとんど他のルートに絡んできません。
さらにイソラはどうみてもバッドエンドにしか見えないし、
佐久夜はなんとHシーン1つのみ、千鶴美はジャンプの打ち切り漫画並みの唐突なシナリオ。

どれも少しシリアス色が濃すぎたかなと感じました。
せっかくキャラ作りに成功してるんだから、
もう少しキャラに頼ったイベントを増やしても良かったような気がします。

で、各所で未熟だなんだととやかく言われている主人公。

結論から言うと、それほど不快に感じる性格ではありませんでした。

高校生という多感な時期に両親が死に、親戚に根こそぎ財産を持っていかれてしまって、
しかも思い当たる原因であるミドリの家出は他の人に話すことが出来ないとなれば、
思い悩み苦しむうちに誰かにあたりたくなって責任転嫁してしまうのも頷ける話。
そういう理由から自分を正当化するために"妖怪が嫌いだ"と口上で言っているだけ。
美影の扱いにしても、中盤からは世話してもらっていることに感謝しきりで、
追い出すなんてことは毛頭考えていないことが読み取れます。

実際ほぼ全てのルートで「ミドリに詫びたい」という気持ちははっきりと口にし、
藤花・イソラ・佐久夜ルートあたりでは「力になりたい」と考えられるようになるまで改心します。
別段優れた人間ではないですが、萌えゲーの無個性な一主人公としては及第点ではないかと。

・・・ま、問題は"最後まで読めば"ってことなんですけどね。

複数ライターの影響か、完全に改心したように見えても急に退化することがよくあります。
特に美影ルート、幸子に「夫婦みたいさー」とからかわれただけで「やめろ!」とブチ切れる主人公には唖然。
今お前はどこでスイッチが入ったのかまったくわからない。

最後まで読めば、とは言うものの最後まで我慢できる人がそれほどいるとは思わないので-2点。
それを除けば、キャラ作りに関しては十八番、さすがキャラ箱だなあというデキ。

「かわいい!嫁にしてくれ!」と言いたくなるキャラが2人は見つかるはず。
ちなみに私は藤花と美影でした。


CG・・・17/20点

過去作がほとんどないため新人の原画家さんだと思いますが、
キャラデザはよく特徴が出ているし、差別化も巧く、新人らしさをあまり感じさせない安定した絵でした。

横顔と斜め45°からの顔で多少パーツがずれてるのと、塗りが平坦なのであんまり萌えゲーらしい
絵ではありませんが、違和感がそれほどなかったのは完全にキャラ勝ち。
種類は少ないながらも立ち絵が忙しく動くのがいいですね。

枚数は、美影18枚、幸子13枚、千鶴美10枚、イソラ・瀬織8枚、佐久夜・藤花7枚、その他12枚で計83枚。
萌えゲーにしてはやや少なめ。美影や幸子だけやけに細かなシーンにも一枚絵が用意されていて
他のキャラは明らかに欲しいところにない、ということが多かったし、もう少し均等に割り振っても良かったような。
美影がラストシーンに4枚も使ってるのに藤花なんてテキスト説明のみですよ?なんだこの不遇。 
せっかく綺麗な絵なのでもう少し見たかったです。


エロ・・・14/20点

シーン数・・・美影4(本番3)、幸子2(本番1)、藤花2(本番2)、瀬織2(本番1)、佐久夜1(本番1)、
千鶴美1(本番1)、イソラ2(本番2)、鈴1(本番1、×和姦)、穂波3(尻1、本番2) 、ミドリ1(本番1)

一人あたり平均2シーン弱、最近の萌えゲーにしてはやや少なめ。
でも尺自体は長く、個別に入ってからであれば連戦もあって、テキストも合格をあげられる濃さ。

が、萌えゲーらしい、イチャラブ的な雰囲気のシーンとなるとほぼ1/3程度に。
萌えゲーなのにシナリオ重視ゲーのようなHシーンの挿入の仕方をしているため、
シーン中にもストーリーの方が気になってあまり印象に残るものがありません。
イチャラブ+Hシーンのパートとシナリオが進むパートをもう少しはっきり分けてもいいと思うんだけどなあ。
こういうキャラの強い萌えゲーなら尚更。

褒めるべきはフェラシーンの強さ
エロゲーマーなら誰もが一度は聞いたことのある豪華声優陣のはたらきは見事でした。
また、最近の萌えゲーはテキストが「奥まで咥え込んで・・・」となってても絵では触れてすらいなかったりする
エアフェラが目立ちますが、今作はしっかりとテキスト通りの描写をしていて好印象です。

欲を言えば、塗りにもう少し立体感があって、より大きく被写体を収める構図の巧さがあれば・・・。
実用性はイマイチですが、決してチャチな質ではなく標準レベルのエロさ。


シナリオ・・・5/10点

推奨攻略順:[牛・河童・千鶴美・橋姫・穂波]→狐→[幸子・美影]→ミドリ

幸子と美影を先に攻略すると結構重大なネタバレを見ることになるので注意。

プレイ日記にも書きましたが、昔話に恋物語や史実を絡め、
現代風にアレンジしてこじんまりとまとめてタイトル通りとっぴんぱらりのぷうで締めたストーリー。
美影・幸子・ミドリを除いて、「美影の出現をきっかけに妖怪というものの見方が変わり、
ある妖怪の持つ悩みを主人公が聞き、解決しようと尽力する」という共通の流れがあります。   

その悩みというのが、実際に云われのある妖怪の特徴を元にしたもので凝ってて面白かったなと。
(例:雌の件→不幸の予言ができるが助けられない、河童→綺麗な川にしか住めない など)
妖狐→男をたぶらかす→封印される→男性恐怖症!という発想には素直に感心しましたがw

美影・幸子・ミドリは3人合わせて1つのストーリー。物語の根幹に関わるので詳細は避けますが、
美影と幸子は元々何かの目的を持って生まれた存在、とでも言えばだいたい先が読めるでしょう。

日常パートの雰囲気はとにかく秀逸。
美影と幸子と3人で朝飯を食べてるだけで幸せになれる不思議な中毒性を持った毎日。
犬でも猫でも妖怪でも、「おかえりなさい」と迎えてくれる存在がいるってのは素晴らしいことですね。
なんだかノスタルジックな気持ちに浸ってしまいます。

で、まあ予想通りっちゃ予想通りでしたが・・・濃いですね、シリアス。
個別に入ってからだとイチャイチャ:シリアス=2:8ぐらいじゃないかしら。
佐久夜とか幸子とか、デレ始めると同時に雰囲気がどんよりし始めるんですよね。重い、とにかく重い。

それから物語の幅が物凄く狭いのも欠点かな。
数百年・数千年という縦のつながりはあるものの、結局は田舎町一つで完全に終結する物語ですし、
キャラ同士の絡みも少なく横のつながりがほぼ皆無。
逆にそれで田舎独特の閉鎖感や温かみが出るというのもあるので、一概に短所とは言い切れませんが。

「良い意味でも悪い意味でも纏まった、1人の少年と妖怪たちのちょっぴりホロリとくる質素な昔話」
1行でまとめればこんなもん。テキストは比較的読みやすいほうですが、
シナリオ自体はあくまでご都合主義でありすっきりと纏まっているだけなので過度な期待は禁物。


ボイス・・・10/10点

この声優陣を前に何を言うことがあろうか!


・・・あ、欲を言えば男性ボイスが欲しかったです。


システム・・・5/10点

キャラ別の音声設定ができない、ウインドウ上にカーソルがないとctrlスキップが止まる、
右クリックメッセージウインドウ消去ができない、クイックセーブ&ロードが無い、
BGMの変わり際に「ブツッ」という不快音がする。
そしてなぜか「ネクスト」なる未読スキップを常備。

・・・なぜ未読スキップだけ充実?
ライターさんとしては未読スキップってどちらかといえば屈辱なのでは?

・・・わからん。ことあるごとに不満を感じる不親切設計。





Total・・・79/100点

キャラ箱によくある、終わった後に暖かい気持ちになる雰囲気ゲー。
妖怪ゲーとしてはなかなかよく出来てるんじゃないかなーと。
全てはこの極端にまったりした雰囲気が楽しめるかどうかに懸かってます。
体験版を全く裏切らない世界観が最後まで続くので、購入前にまずお試しを。

一長一短の幅が狭い、いろんな意味で80点前後が似合う良作でした。



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テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

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