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去年所謂「こんにゃく」で一世を風靡し、大量の信者を引き連れてやってきた丸戸史明氏の新作。
並外れた文章力によるテンポの良さはもう細々と語る必要もないと思うので、主にシナリオについて触れてます。
※ネタバレ注意※
シナリオ・・・37/40点このタイトルを見た時点で、「年齢上NGな恋なんだな」とわかってはいましたが、
まさかここまでNGだったとは思ってもみませんでした。●学生じゃさすがになあ・・・
このことに限らず、さりげない複線の張り方とスパッと決まる回収の仕方はさすが。
美都子ルートの最後のグランドフィナーレでは、あまりのすっきりさに脱帽しました。
がしかし、美都子ルートがあまりに完璧すぎる故に、ほかのヒロインに及ぼす影響も少なからず。
もともとシナリオの構成上、夏夜→姫緒→麻美→トコの順にストーリーが長くなるようになっているうえ、
理とトコが完全に離れてそのヒロインと2人きり、っていう終わり方のルートがひとつもないため、
トコが嫌いで夏夜が好き!って人には地雷にすら成り得る可能性もあるわけです。
ちょうど『もしも明日が晴れならば』の明穂に近い感じでしょうか。
「理くんが屈んでくれないと、キスもできない女の子、なんだよ?」とかもちろんそれ相応の破壊力があるキャラではあるんですが、
気に入らない人は気に入らないと思うので、評価が分かれそうな作品だなとは思いました。
逆にトコが好きなのであれば満点を付けてもいいと思います。
今回は文章力のあるライターだからこそなんとかなったものの、構成で損をしてる印象。
確かHERMITは前作もこんな感じだったような・・・
あ、あと地元に住んでた人しかわからないような名古屋・岐阜ネタが多くてニヤニヤさせていただきました。
「えー古来より子は鎹(かすがい)と申しまして・・・」
「まあ確かに、名古屋と岐阜の間にあるけどな、春日井」上手い。ちょっと感動すら覚えた。座布団一枚。
CG・・・17/20点発表当時から一番心配していた画ですが、立ち絵、普通の一枚絵は問題ありませんでした。
一枚絵は、むしろ陽光の使い方が上手くて雰囲気に合ったいい味が出てたと思います。
キャラデザの方も、キャラの顔とか体の書き分けが非常に上手くて個性が出てます。
ええまあ、
予想通りというか何と言うか問題はエロCGなわけです。
万歩譲って顔と体のバランスとか胸の形とかはいい。それはしょうがないと思うんだ。
だがなあ、あの乳首はどうにかならんもんか・・・
塗り師は
何を思って■←あの色を選択したのか、小一時間問い詰めたい。
なんだあれ、エロゲ界は
■←この色って相場は決まってんだろうが!
キャラ・・・19/20点脇役の使い方が神懸かってる。トコルートの終盤ではもう脇役総動員、全員が全員良い人なので後味が最高でした。
どうでもいい人にまでしっかり立ち絵が用意されてるので、脇役って感じがしないんですけどね。
存在感はあっても、メインヒロインや主人公までは食わないバランスも完璧。
この-1点は穂香。こんなに不快なだけのキャラを書くこともあるのか。
ボイス・・・10/10点メインヒロインのCv.夏野こおりさんだけは聞いたことがありませんが、それ以外の方は結構なベテランがほとんどじゃないかと思います。
男性ボイスの先割れシリーズさんは、どれも文句のつけようがないほど
フィットしすぎ。
特に主人公の裏返るときの声が上手すぎる。ドラマでも見てるような感じでした。
BGMのほうは、数は少ないながら明るいとき・暗い時・修羅場とそれぞれの雰囲気に合ったものがそろってます。
「戯画に勝てるか」と言われればそりゃまあ・・・ですけど。
あと挿入歌の一つぐらいは用意してほしかったかな。
やっと全部解決したエンディング直前に流れるのがオープニングと一緒じゃちょっとチープすぎるんじゃ・・・
システム・・・8/10点必要最低限のものをそろえたといった感じで、あまり細かいところまでは設定できません。
これも戯画と比べたら、というかまず比べるのがかわいそうですが、雲泥の差です。
時々止まったり、立ち絵がえらく動くせいでスキップが引っかかったりちょこちょこと不満はありますが、
プレイには影響しなかったのでまあいいや。
Total・・・91/100点貫禄の安心感、といったところでしょうか。
戯画の方とは同じライターでもまるで作品の嗜好が違いますが、
個人的にはHERMITのアットホームドラマのような雰囲気のほうが好き。
話の短かった夏夜や姫緒は、
グランドヒロイントコのためだけの、ある意味サブキャラだったのかもしれませんね。
夏夜が大好きっていう人は本当に救われないよなあ、これ。
トコさえ気に入れば、今年5本の指には確実に数えられる名作。
テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム