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いら☆くまっ!(目覚めた)

見た目は大学生・頭脳はエロゲ脳なイラックマによるエロゲーレビューブログ

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【レビュー】 沙耶の唄

「オススメのエロゲー」として、今でもちょくちょくその名前を見かける短編作品。
発売・プレイから4年以上経過しているにもかかわらず、未だにスラスラとレビューが書けるのに驚き。
短編の良さを最大限に生かした、本当に強く印象に残るゲーム。


シナリオ・・・35/40点

周囲の人、物、すべてが醜い肉塊にしか見えず、沙耶だけが美少女に見える主人公と、
逆に普通の人から見れば醜い姿にしか見えない地球外生物、沙耶の悲恋を描いた、わずか5時間少々の恋愛物語。

つまりお互いにとって、相手は唯一無二の存在であり、それはこの世界よりも大切であると、そんな狂気に満ちた話です。

その狂気に満ちた二人の行動が、この『沙耶の唄』が「グロゲー」と評される所以。以下に例を挙げると、

・友達を「おいしいおいしい」とか言いながら食べる
・沙耶を襲おうとしたとなりのおじさんをボッコボコにして首すっ飛ばして殺害
・ rア 【沙耶】   【世界】


加えてCGと描写がめちゃくちゃ丁寧です。耐性が無いと思わず目を背けたくなること請合い。

しかし、それらの「狂気」が織り成す世界観は見事なもの。
決して読み易くはない上、心理描写に文字数を割かず淡々と進むだけの小難しいテキストも、この雰囲気にジャストフィット。
序盤からホラー色の強いサスペンスですが、主人公視点に立って感情移入できるだけの迫力と緻密さがあります。
中途半端な設定オチで終わらず、最後まで徹底的に「狂気に満ちた話」を貫いているのも凄い。

で、エンディングですが、まあ「シナリオ:虚淵玄」を見れば大方予想が付くように全部BADですね。
詳しく言うとつまんないので簡潔にまとめると、
A.二人のためだけに世界を変える B.あの世で一緒に C.お別れ  のどれか。

完全に救いがありませんが、このハッピーエンドのない愛こそ、虚淵氏の考える「純愛」なのかもしれません。
5時間という短い時間の中に、とんでもなく重いテーマを盛り込んだ異色作でした。


キャラ・・・18/20点

登場人物全員が、食欲、性欲、独占欲、探求欲といった欲望に非常に素直だった印象。
食べたければ友達を食べる、好きになれば初対面でもとりあえず襲う、そして愛する人が襲われれば殺す・・・
そういったものも一種の狂気として隠さずに描くことによって、さらに雰囲気を加速させていました。

そんなことより沙耶のかわいさは異常
人外・地球外生物なのにこの愛らしさはなんだチクショウ!
一体「何萌え」なのかちっともわかりませんが、某画像掲示板で非常に人気があったのも頷けます。


CG・・・18/20点

シナリオの項でも少し触れましたが、「嫌がらせですか?」ってぐらいグロ描写が美しく丁寧。
主人公視点の背景も、もう1枚に何時間かかっているのかわからない細かさ。
別にグロ画だけが上手いわけではなく、キャラの書き方もホラーの雰囲気にあった独特の絵柄で素晴らしいです。
特に沙耶の性格・魅力を完璧に捉えたあの体型、思わず目を惹かれるものがありました。
いや、やらしい意味じゃなくて。

ま、それを生かす場面が無いのが残念っちゃあ残念かな・・・
どうせ沙耶以外の女性キャラは食われるか犬になるかどっちかだし・・・


ボイス・・・9/10点

冒頭のしゃがれ声を始め、主人公含めた男性キャラに音声があったり、テキストを利用した演出が随所にあったりと、
音声を使った演出がかなり光っていました。
特に男性キャラのフルボイスは非常に有効で、ここまで深く世界に入り込めた要因の一つ。

そんなことよりやっぱり沙耶のかわいさはいj(ry

川村みどりさんっていうのが誰なのか全く知らないのですが、妙にフィットしてました。
沙耶に限らず、雰囲気・キャラにあった素晴らしいキャスティングだったと思います。

・・・特に主人公、まさかあの人とは。

またBGM面ですが、英字タイトルが全て「S」から始まるという徹底っぷり。
Nitro+らしいエレキっぽい戦闘曲、決して穏やかにはならない日常の曲、そして締めくくりのED曲と、どれも完璧。


システム・・・8/10点

5時間でセーブ60個をどう使い切るのかが謎。ツッコミ待ちでしょうか。

グロCGのソフトフォーカスモードみたいなのが付いており、実際かなりグロ度は軽減されますが、
少々苦手でも付けない方が入れ込めると思うので使用しないことをオススメ。

マイナス面は、ビジュアルノベル作品にありがちなことで、バックログが非常に使いづらいこと。
思わず読み返したくなる場面が多いだけに残念。

スタッフロール強制、シーン回想無しなど細かな不満はありますが、全体的に見ると、軽さ・使いやすさは高評価。





Total・・・88/100点

テキスト、CG、音楽、演出、全ての要素が一糸たりとも乱れずテーマに沿っており、見事に世界観が統一されていました。
『Dear My Friend』のレビューにも書いたような気がしますが、こういう一つの世界、一つの物語を形作っているゲームは
読み手の興味を強く惹き付けてくれて面白いです。1日で読みきれるので、時間が無い人には特にオススメ。



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いつも思うけど「エロ」ゲーじゃないじゃん・・・


テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

コメント

ソフトフォーカスモードなんてあったんだ・・・知りませんでした^^;
金銭的にも時間にも余裕がない僕としては、こういうゲームが好きですね、Nitro+、もう一度こんな感じの出せないかな?
ここまで纏め切るのはもう困難な気はしますが・・・

  • 2008/02/26(火) 23:38:59 |
  • URL |
  • 広原 #/9ad1NaA
  • [ 編集]

本当にここまで重い、厚いテーマを5時間に纏めきったってのは凄い衝撃でしたね。
虚淵さんにまだあの力があればなんとか・・・最近ニトロの製作ラインが増えてる気がするので・・・どうでしょう。

  • 2008/03/02(日) 04:59:35 |
  • URL |
  • いらくま #-
  • [ 編集]

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